沙雪が立ち去ると、小春と二人きりになった。


「おにいちゃん♪」


 二つの大きな瞳が嬉しそうに俺を見つめている。
 俺は視線を落として、ため息をついた。


(特訓に付き合ってほしいと言われてもなぁ……)


 心底そう思う。この俺にどうしろと言うのだ?
 俺は小春のような年下の女子と交わったことはないし、今は交わりたくもない。
 忍びにとって、女子は足手まとい。
 修行の邪魔以外の何者でもない。
 しかもこんな小娘に……


「あんっ……」


 急に小春があわてて胸を手で隠した。
 俺もその理由に気づいた。


「ん…………ち、ちがうぞ!」


 小春は俺の視線を気にしたのだ。



「ちがくないもん。見てたもん!」


 咄嗟に言い訳する俺を、少女がにらみつける。
 大きな目がはっきりと潤んでる。
 ものすごく気まずい……。



「おにいちゃん、小春のおっぱい見たいんだ……」


「だから違うと……」


「小春をみて淫らなこと考えたんでしょう?」


 だめだ……話を聞いてくれない。
 おとなしそうに見えて、小春は意外と頑固者かもしれない。


「俺はたまたま下を向いただけで……!」

「いいよ……おにいちゃん」

 小春の表情が緩む。


「え…………いいのか?」

「うん……いいよぉ」


 思わず返してしまったが、別に小春の胸を見たいわけではない。


「いや、ちがう! ちょっとま……」

「小春のおっぱい見てぇ……」

 小春は恥ずかしそうに忍服を脱ぎ始めた……



 ほとんど裸になった小春が、俺の上に乗ってきた。
 すべすべの素肌が心地よい……。



「うぐ……」


「おにいちゃん、なんだかうっとり~」


「はっ!」


 小春が不思議そうに俺を見つめている。


「い、いきなり乗ってくるな!」

「ごめんなさい、おにいちゃん」



 俺を気遣ったのか、小春が腰を浮かせた。
 小さな尻がへそのあたりを刺激している。


 そしてちらりと俺を見てから、小春が腕を伸ばした。


きゅうっ!

 すでに膨らみ始めた俺の股間を、小春は素早く手のひらで包み込んだ。





「うわあああぁぁ!」


 その手触りに、不覚にも声を漏らしてしまった。


「やだ、そんな声上げないで……」


「きゅ、急に触るなあああぁぁ!」

「揉むな、あっ、あっ!」


「おちんちんを捕まえただけよ? ふふっ」


 やってきた快感を我慢しようとした刹那、やわらかな少女の手で包まれたのだ。
 しかも小春は優しく亀頭を揉み解す。


「ねえ、おっきくなってなぁい?」


「ううぅぅ……」


 あっという間に少女の瞳に追い詰められる。


(まるで右京みたいだ……!)


 間違いない……
 小春は目で俺を犯している。
 こんな年下の少女に、肉棒を掴まれ、心の中を覗かれるとは……



「いいんだよ、おにいちゃん」


「なにっ」


 すでに勝ち誇ったような表情の小春を見ているだけで、俺の顔が赤くなる。


「おにいちゃんはだらしない男の子なんだから」


「ふざけるな……!」


 くすっと小さく笑ってから、小春は囁いた。


「ふふっ……小春が骨抜きにしてあげる」


「な……」

「もっと壊してあげる」


 柔らかな口調なのに、不思議と逆らえない。
 黙り込む俺を見て、小春がくすっと笑った。


「おっぱいは、まだ見せてあげない……」


「なぁんてねっ!」



「んぷっ!」


 小春は片手で俺の頭を抱えると、ぷっくりと膨らんだ胸を俺に押し当ててきた!


「見えないでしょ?」



「んっ、うううん!!」


 乳首がまぶたに擦れる……
 すべすべの肌が俺の顔を包んでる……
 その間も亀頭を包む指先は動き続けている……

「暴れちゃ駄目ぇ!」


 俺の顔を塞いでいる小春の胸は、思ったより大きく感じた。
 硬くとがった桃色の乳首が鼻先をかすめ、柔肌がほほに擦り付けられる。
 少女特有の甘い香りに包まれ、俺は小春の肌に埋もれながら陶然としてしまった……。



「えへへ、力が抜けちゃう?」

「くっ……」

「じゃあ、とっておきの技をかけてあげる」



 小春は抱きしめた俺の顔を中心に、胸で円を描き始めた。





「あああぁぁ!」



 柔肌で顔がつぶされて……回される。
 掴まれた肉棒もそれに合わせてぐりぐりと回される。

 すでにぬるついた小春の手のひらが、くちゅくちゅと淫らな音を立てる。
 顔面を支配する小春の胸と、甘い吐息に酔わされる……。



「ああ、そこはあぁっ!!」



「おにいちゃん、もう夢中だね?」


「くうぅぅ……ああぁぁ…………」


 股間の痺れが全身を蝕み、返事をする気力すら快感に溶けていく。


「これが『桃夢想』の術だよぉ」


ももむそう……


 気がつくと俺は、小春の身体の動きに身を任せていた。
 甘い桃のような小春の香りと、柔らかな胸の感触、そして亀頭を弄ぶ指……


「右京様みたいに『枯井戸』の術をやるのは、まだ無理だけどぉ……」


 かれいど……

 そう聞いただけで俺の身体が震えた。




 右京の豊かすぎる胸に肉棒が挟まれ、蹂躙された記憶が甦ったのだ。

 そして今、俺は右京の弟子に心と身体を犯されているのだ。

「これなら小春にもできるからね!」


「はな……せええ!」



 俺は両腕にありったけの力をこめて、精一杯小春を突き飛ばした。



「やぁんっ♪」


 だが、小春はびくともしなかった。
 ようやく少しだけ胸から顔が離れただけだった。


(無意識に手加減したのか?)


 いや、違う……
 俺の腕に全く力が入っていなかったのだ。


「悪い子~!」


「くそっ!」




「おにいちゃんを小春のおっぱい漬けにしちゃう……」


ぷちゅっ!


「うぶううっ!」


 そして再び俺の顔に小春の乳房が押し当てられる。
 しかもさっきより引き付ける力が強い!
 今度は逃げられそうもない……


(くそっ、力が……)



「きゃはっ、そろそろ痺れてきた?」


 俺の力が抜けていくのを小春は敏感に感じ取っていた。
 悔しいが気持ちいい……いや、気持ちよすぎるのだ。
 少女の妖しげな技の前に、意識がまともに保てない。


「小春みたいなちっちゃい子のおっぱいに負けちゃう
 おにいちゃん……」


「く……そ……」


 今度は小春からの言葉責め……
 容赦なく俺に恥を塗りつけてくる少女の胸から抜け出せない!


「はっずかしい~~~」

「ああぁっ、言うなあああぁぁ!」


 こんな年下の娘に……!
 俺は恥ずかしさで身体が震え、顔も上げられなかった。

くちゅっ、くちゅくちゅっ


「んあああぁ!」


「あんっ、おにいちゃんのぬるぬるが増えたけど?」




 執拗な亀頭責めに、不覚にも少し精を漏らしてしまった……。
 小春はさらに優しく指先で亀頭をこね回し、俺を辱める。

 顔と股間を見事に封じられ、手足に力が入らない。


「なにを想像しちゃったの?」


「……」


 そんなことを口にできるものか!

「小春に教えてくれたら、優しくしてあげる」


「……優しく?」


 小春は粘り強く俺の口を割らせようとしている。
 俺を心から快感に服従させるつもりだ。


「教えてくれないなら……激しくしちゃうよぉ?」


「……」


 だが激しくされるのも困る。
 もう俺の限界は近い……



「……」


「小春の胸をもっと……」


 小春の甘い誘惑に、俺の心が溶かされてしまった。

「もっと……なぁに? おにいちゃん」


 小春が小さく笑いながら、さっきよりも強く胸を顔に押し付けてくる。


「うぐぅ…………」

「ちゃんと言って欲しいなぁ」


 言いたいけど、これでは口が開かない!

「小春のおっぱいでお顔をつぶして欲しいの?」


ふにゅううっ!!

「ぐううぅぅ……」

 俺は顔をつぶされながら、小さくうなづいた。


「それともおちんちんに……してほしい?」


「!!」


 股間を……小春に肉棒を弄んで欲しい……


「た、のむ……」


「おにいちゃん、自分が何を言ってるかわかってるの?」


 小春は腕の力を緩めて、俺の顔を見つめた。
 意地の悪い子猫のように口元を吊り上げて、俺をいたぶっている……


「小春みたいなちっちゃい子にお願いしちゃって……」

くちゅっ、くちゅ……

「うがああああぁぁ!」



 俺を辱めながらも、小春は愛撫の手を止めない。
 ゆっくりと片手で亀頭を揉み続けているのだ。
 これではどんな男も……逆らえないだろう。


「恥ずかしいね? おにいちゃん」


「ああぁぁ、小春……」


 突き放すような言われ方に、心が痛む。


「おっぱいでお顔をつぶしてあげる」


「んっ!」



 再び目の前が暗くなる。
 温もりと共に小春の胸に閉じ込められた……。



「それと可愛そうなおちんちんも……」


「このままくすぐり続けてあげる」


「んんっ! んん~~~~」


 そっと添えられた指先が棹を掴んで扱き出す。
 視界を封じられ、手足に力が入らない状態での一方的な愛撫。



「じれったいの?」



「んっ! んんんんー!!」


「ふふふ、そうなんだぁ~」


 自然に腰が跳ね上がる様子を見て、小春は楽しそうに笑う。

「でもね、おにいちゃんはこのままよ」


「んんっ!?」


「このままじらされて、狂っちゃうの」


 い、いやだ!
 こんな仕打ち……惨すぎるっ!!

 俺は必死で手足を震わせてもがいた。
 だが無情にも再び小春の胸に抱かれ、目の前が真っ暗になり……


「んぶううぅぅぅっ!?」



「あんっ……♪」


(見えないから快感だけが降り積もって……!)


「ぬるついたおちんちんを震わせて、降参しちゃうの」


 懸命にもがいても小春の拘束は振りほどけない。
 甘い香りだけでなく、小春の汗の匂いも混じってきた。
 そのせいで淫らな気持ちが高ぶってくる……


 そして全身を泡立たせるように快感が広がっていく……

「おまんこにも入れてないのに、イっちゃうね? おにいちゃん」


「い、いれ……」



 入れて欲しいという懇願も、小春の胸で押しつぶされる。
 さらにゆっくりとしごいていた手の動きが、急に激しくなった!

「ほらぁ、しこしこしこ……」


「んううう、んんっ!!」


「たまらないでしょ?」


 たしかにこれはたまらない……
 こんなことをされ続けたら、小春に逆らえなくなる……



「あっ」


 急に俺の目の前が明るくなった。



「う……!」




「おにいちゃん、だらしないお顔…………」



(ちっ……!)



 目の前には可愛らしい小春の顔があった。
 少女が言うように、今の俺はきっと快感で緩みきっているのだろう。
 何も言い返せない……



「もういいよ。このままイっちゃえ~~~!」


 小春は情けない表情の俺を見ながら、亀頭を優しくなで始めた。


「こ、これは……ああぁ、こ、腰が震えて!」


「気持ちいいでしょう?」


「もうおしまいよ、おにいちゃん」


「あっ、あっ、あああああぁぁぁ!!!」


「うわああぁぁぁぁぁ! イくっ!」






どぴゅどぴゅどぴゅ~~~~~~~~~~!!


 あっという間に快感が俺を貫いた。
 少女の手で踊らされ、俺は無様に射精してしまった。


 頭の中が小春一色に染まってゆく。


「きゃはっ、すっご~い」


 吹き出した精を見ながら、小春は満足そうに笑った。


「優しく優しく搾ってあげるからね? ふふふ……」


 そっと添えられた彼女の指に、俺はもう逆らえなかった。



「ああぁぁ! またイくっ!」



どぴゅどぴゅどぴゅ~~~~~~~~~~!!


「きゃはっ、イっちゃったぁ!」

 小春が楽しそうに微笑んでいる。
 少女の手によってたっぷりと搾り取られた俺は、身動きひとつできない。
 正直、侮っていた。
 ここまで激しく精を吐き出すことになるとは思わなかった。


 だが小春の責めは続いていた。

「おにいちゃん、ちょっとだけ我慢してね……」

 小春が顔を寄せてきた。
 甘い桃の香りが強くなる。

ちゅうううぅぅ!


「くうっ……!」


「うふふふふ……」


 軽い痛みが首筋に走る。
 小春に吸い付かれ、皮膚がえぐられるように熱くなる。


 いったい何をするつもりだ!?


「あうっ!」



ちゅぱっ


「つけちゃった。小春のしるし♪」


「なにを……」


 小春が俺を解放したが、力が抜き取られたみたいに動けない。
 首筋の熱は収まらず、ひりひりと疼いている。

「これが三つになれば、おにいちゃんはもう小春のものよ?」

 おそらく俺の首には小春の唇の跡が着いているのだろう。
 少女が顔を沈めた場所は痺れ、まるで烙印を押されたみたいに熱い。


「お口にもしてあげるね……」


んちゅうぅぅ~~


 気の抜けた俺に、小春はさっきと同じような熱い口づけをしてきた。
 何度も俺の唇に吸い付き、淫らな音を立てる。


 小春に、この少女に支配されながら……
 力が抜け堕ちていく……





「おやすみ、おにいちゃん」

「くうぅぅ……」


「起きたらまた遊んであげるからね?」



 にこやかな表情の小春に見惚れながら、俺の意識は闇に溶けた。





『桃夢想』の術 編 (了)